僕はそもそも、「ジャンル」というものを
作るのが嫌いでした。
「朗読劇は演劇ではない」などという言葉も
沢山聞いてまいりました。
しかし、ストレートプレイも、能楽も、
歌舞伎もミュージカルも朗読劇も、
人が身体を使って何かを表現する
パフォーミングアートであり、
「面白い」か「面白くない」かという、
非常にシンプルな秤で測量される
べきものだと思うのです。
今日までREADING HIGHは、「演劇というより
壮大なショー」というイメージだったと思いますが、
僕らとしては「面白いパフォーミングアーツ」を
追求していたら、結果的に火柱がたったり、
水柱がたったり、
会場に雪が降ったりしただけで、
「派手にしてやろう」と思っていたわけではないのです。
そこには常に「必然性」があったのです。
さて、今回リニューアルされたBASE METAL
熟成されたワインのように、芳醇な香りを放ち、
大阪公演で
連日満員御礼のスタンディング
オベーションを頂きました。
長い間、眠りについていたBASE METALという
「パフォーミングアーツ」が、
はたしてどのような「必然性」を帯びて、
東京芸術劇場で大千龝楽を迎えるのか、
ぜひ味わいに来てください。
雨があがれば、READING HIGH 5周年記念、
最後の作品の幕があがります。
皆様のご来場をキャスト、スタッフ一同、
心よりお待ち申し上げております。
原作・脚本・作詞・演出
藤沢文翁